更新日:2026年5月20日
医療安全管理室は大和市立病院の「市民の皆様から信頼される地域の基幹病院として良質かつ適切な医療サービスの提供」という理念のもと安全で質の高い医療提供体制の確立を目指して組織横断的に活動し、様々な職種と連携を図りながら院内の医療安全を推進しています。
安心・安全な医療を提供するために患者誤認の取組みとして患者さんやご家族にお名前や生年月日を名乗っていただき、医療安全活動に参加していただいています。
医療安全関連組織

構成メンバー
室長(医師) 1名
科長(薬剤師) 1名
室員(臨床工学技士) 1名
医療安全管理者(看護師) 1名 専従
大和市立病院のインシデント及びアクシデントについて
当院では、医療事故の発生・拡大・再発を予防し「医療の質」の確保と「安全な医療」を提供するために、医療安全体制を確立する努力をしています。
1. 医療安全管理の基本方針
- 患者の権利と立場を尊重し、患者中心の医療を念頭に最善の医療環境を整備する。
- 円滑なコミュニケーションとインフォームド・コンセントに基づき、患者とのパートナーシップを構築し、患者から信頼される医療を実践する。
- 医療安全管理を推進するための院内組織を整備し、医療事故防止に組織的に取り組む。
- 医療事故防止のため、病院全体の教育・研修体制の充実を図る。
- 職員は自らの医療知識・技能のたゆまぬ研鑽を図るとともに、常にリスクを回避する意識を持って業務に従事する。
- 院内報告制度の確立及び検討結果のフィードバックによる再発防止策を講じる。
2. 医療事故の考え方
用語の定義
医療事故
医療に関わる場所または医療行為に起因して生じた事故で、損害が発生しているものを総称して医療事故と言います。この場合、医療関係者の過誤(過失)の有無は問いません。
「外来に受診に来たときに、歩いていたところつまずいて転んでしまった」、なども医療事故に含まれます。
ヒヤリ・ハット
医療に関わる場所または医療行為に起因して間違いがあったが、実施前に発見でき、未然に防ぐことが出来た場合を言います。インシデントに含まれ、影響レベルは0となります。
インシデント
医療に関わる場所または医療行為に起因して間違いが発生したが、患者さんには実施されなかった場合、または患者さんに変化が生じない場合を言います。影響レベルは1~3aに分けられます。
アクシデント
医療に関わる場所または医療行為に起因して、患者さんに死亡を含む何らかの障害が発生した、または障害は発生していないが観察の必要性がでた場合を言います。影響レベルは3b~5に分けられます。
オカレンス
医療行為に関連した合併症や副作用発生時の報告を言い、インシデントやアクシデントとは区別しています。
| 区分 | 影響レベル | 内容 |
|---|---|---|
| インシデント | レベル0 | エラーや医療品・医療器具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった |
| レベル1 | 患者への実害はなかった (何らかの影響を与えた可能性は否定できない) | |
| レベル2 | 処置や治療は行わなかった(患者観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じた) | |
| レベル3a | 簡単な処置や治療を要した(皮膚の縫合、鎮痛剤の投与など) | |
| アクシデント | レベル3b | 濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院、骨折など) |
| レベル4a | 永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない | |
| レベル4b | 永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う | |
| レベル5 | 死亡(原疾患の自然経過によるものを除く) |
3. 医療事故等の報告体制
医療の原点は患者さんに安全な医療を提供することです。当院では、影響レベルに関係なく、医療事故発生時には報告をあげるよう努力しています。その理由として、1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、その背景には300件のヒヤリ・ハットが存在すると言われているからです。報告件数がそのまま医療の質を表すものではなく、報告を多くあげる中で、重大な医療事故の発生を防止することが報告の目的となります。
そして、報告された事例から分析を行い、対策等を考え、再発防止に努めています。
2025年度 医療事故等報告件数
事象レベル別件数
| 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|
| ヒヤリ・ハット | 288 | 233 |
| レベル1 | 568 | 605 |
| レベル2 | 264 | 245 |
| レベル3a | 97 | 80 |
| レベル3b | 8 | 5 |
| レベル4a | 0 | 0 |
| レベル4b | 0 | 0 |
| オカレンス | 12 | 11 |
| 事例報告 | 36 | 16 |
| インシデント件数 | 1,273 | 1,195 |
| 総報告件数 | 1,376 | 1,318 |
内容分類別件数
| 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|
| 薬剤 | 409 | 388 |
| 輸血 | 7 | 2 |
| 治療・処置 | 104 | 88 |
| 医療機器等 | 89 | 83 |
| ドレーン・チューブ | 111 | 78 |
| 検査 | 112 | 95 |
| 療養上の世話 | 240 | 321 |
| その他 | 153 | 113 |
| カテゴリー | 具体的な内容 |
|---|---|
| 薬剤 | 薬剤(麻薬・抗腫瘍薬・内服薬・注射薬等)の投与、管理に関すること |
| 輸血 | 輸血に関すること |
| 治療・処置 | 医師の指示に関すること、医師の指示の実行に関すること |
| 医療機器等 | 医療機器に関すること 医療器材・医療材料に関すること |
| ドレーン・チューブ | ドレーン・チューブ類の抜去、接続の問題、管理などに関すること |
| 検査 | 検査実施に関すること |
| 療養上の世話 | 食事に関すること、ケア実施時に起きたこと、自殺関連 |
| 転倒・転落 | 転倒、転落に関すること |
| その他 | 書類やデータに関すること |
4. 医療事故等の公表
目的
当院で発生した医療事故の公表基準に従って、市民に情報提供を行います。これにより当院での医療提供の透明性の確保を図り、市民に信頼され、安心して医療が受けられる安全体制の確立を目指しています。
大和市立病院における医療事故等に関わる公表基準
| レベル | 医療過誤(過失あり) | 過失の無い医療事故 |
|---|---|---|
| レベル0 | 包括的な形式で一括公表 | |
| レベル1 | ||
| レベル2 | ||
| レベル3a | ||
| レベル3b | ||
| レベル4a | 重大な場合個別公表 | 原則非公開 |
| レベル4b | ||
| レベル5 | 原則個別公表 | |
| レベル | 2025年度 代表事例 | 再発防止策 |
|---|---|---|
| レベル0 | 違う患者の書類がカルテに混入されていたが、スキャン前に他部署の職員が発見し登録されなかった。 | 書類を重ねたまま確認するのではなく、1枚1枚手に取り患者氏名を確認する。 |
| レベル1 | 退院処方が追加されていたことに気づかず、準備されていた退院処方のみ渡した。 | 退院前に電子カルテの処方内容を最終確認する。 |
| レベル2 | せん妄状態にあり、膀胱留置カテーテルを自己抜去した。 | せん妄のリスク因子を医療チームでカンファレンスし、必要時処方等を検討する。 |
| レベル3a | 酸素ボンベを使用し検査に行ったが、途中でボンベを開栓していないことに気づいた。酸素流量計がゼロではなかったため、酸素が流れていると思い込んだ。 | 他者が準備したものでも、自分が搬送する前に最終確認をする。 |
| レベル3b | 靴の踵を踏んで廊下を歩いていたところ転倒し、大腿骨頸部を骨折した。 | 入院のしおりに記載されており、入院時オリエンテーションでも説明しているが、守っていただけているかを確認し、靴の踵を踏んでいるところを見かけた場合、その都度説明を行う。 |
総合的な評価
患者さんに提供される医療行為の過程で、「何を確認」し「どのように行動するのか」は”安全な治療”に繋がっている必要がある。知識・技術の向上を図り、医療チームとして患者さん中心の医療の提供が望まれる。そのためのコミュニケーションを大切にしていきたい。
5. 医療事故防止への取り組み
2025年度 医療安全研修会等
職員のリスク感性を高め、同じようなインシデント・アクシデントを繰り返さないために、全職員が年間を通じて同じ研修を2種類受講しています。
医療安全研修会 対象:全職員
| 研修名 | 開催方法 | 研修参加率 | 年間参加率 |
|---|---|---|---|
| チームワークを高める「心理的安全性」 | 集合研修 | 100% | 100% |
| 「ヒューマンエラーの理解」 | 動画視聴 | 100% |
この記事に関するお問い合わせ先
大和市立病院 医療安全管理室
