脳卒中は前ぶれなく起こることが多く、皆さんはいろんなことに不安が多いと思います。患者さんとそのご家族に「発症後の時期で異なる脳卒中の対応方法」について説明します。以下、時間の流れに沿って大切なことを説明します。

脳卒中:急に起こる脳の血管の異常。A脳出血、B脳梗塞(血が足りなくなる)、Cくも膜下出血(瘤が破れる)が代表です。

急性期治療:当院で行います。
外来で初期診断(診察、頭部CT、血液検査)し、入院するかどうか決めます。
入院後は病型によって点滴の薬剤を選択し投与します。発症4.5時間以内の脳梗塞では一刻をあらそってtPA静注療法を行う場合があります。入院後さらに検査を進め(MRI、超音波など)、より適切な治療を選択します。早期からのリハビリテーションは、神経・身体症状を精密に調べ、座ったり、立ったり、食べたり、話したりをできるように安全に時間をかけて行います(理学療法士、作業療法士、言語療法士)。
薬が飲めるようになったら、再発予防の薬剤を飲み始めます。介護保険の申請をしてケアマネージャーを決めると将来にわたって相談が受けられます。
患者さんの症状によって治療後の行く先が決まります。

  1. 軽症な方は自宅へ退院します。
  2. 中等度でリハビリテーションの必要な方は次項の専門病院に移ります。
  3. リハビリテーションできない方は、医療系施設や療養型病院を選択します。

回復期リハビリテーション:発症後2か月以内に入院
当院でのリハビリテーションに引き続いてリハビリテーション専門病院に入院して行います。希望に沿って選択し、家族面談ののち受け入れ準備ができたら転院します。発症後2か月以内という決まりです。

維持期管理
当院を退院後の通院・投薬管理です。かかりつけ医や当院の外来で行います。

自宅でのリハビリテーション
デイケアやデイ・サービス、或いは通所リハ、訪問リハなどいろいろな種類があります。ケアマネージャーに相談して適切なものを選択してください。

脳卒中地域連携パス
患者さん個人の情報・病状を手際よくまとめた書類です。急性期病院―回復期リハ病院―維持期管理の医療機関と引き継ぐことで効率を高め無駄をなくすことが目的です。

最終更新日:2022年3月25日