災害拠点病院とは、地域の医療機関を支援する機能を有する病院で、重症・重篤な傷病者を受入れるなど、災害時の医療救護活動において中心的な役割を担う病院として位置づけられています。
当院は、平成10年3月より神奈川県県央地区の災害拠点病院に指定されております。

災害拠点病院は次の機能が求められています。

災害拠点病院に求められている機能

  1. 救命医療を行うための高度診療機能
  2. 被災地からの重症傷病者の受入れ機能
  3. 傷病者の広域後方搬送への対応機能
  4. 医療救護班の派遣機能
  5. 地域医療機関への応急用医療資機材の貸出し機能

当院では災害拠点病院としての役割を果たせるよう次のような取り組みを行っております。

大和市立病院での主な取り組み

神奈川DMAT指定病院

大和市立病院は、平成25年3月神奈川県から「神奈川DMAT指定病院」として認定されました。
当院のDMATは医師1名、看護師4名、業務調整員2名の計7名で活動を行っています。
技術の向上等を図るため研修及び訓練等に努め、常に出動できるよう災害時の医療体制を確保し、災害拠点病院としての機能をさらに強化します。

DMATとは

災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamの略でDMAT(ディーマット)と呼ばれています。
大規模な自然災害や航空機事故等が発生した場合、迅速に被災地に駆けつけ、災害発生急性期といわれる48時間以内に活動できる機動性をもった、専門的な訓練を受けた医療チームです。

  • 県内で震度6弱以上の地震が発生
  • 傷病者が20人以上発生若しくは発生が見込まれる災害が発生
  • 被災市町村から神奈川DMATの派遣要請があり、神奈川DMATを派遣することが適切と知事が判断
  • 発生した災害に対し、神奈川DMATを派遣することが適切であると知事が判断
  • 他の都道府県への派遣にあたっては、被災都道府県知事等からの派遣要請があり、かつ神奈川DMATを派遣することが適切であると知事が判断
  • 知事が神奈川DMATの派遣を要請し、神奈川DMATが出動(48時間以内)

DMATの活動内容

神奈川DMATの派遣要請があった場合以下のような活動を行います。

  • 現場活動:消防機関と連携したトリアージ※、緊急治療
  • 域内搬送:被災地内での患者搬送及び搬送中の治療
  • 病院支援:被災地内の災害拠点病院での治療
  • 広域医療搬送:被災地内では対応困難な重症患者の被災地外への搬送

※トリアージとは、災害時などで多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定するシステムです。

訓練の様子

災害用備蓄倉庫の設置

災害発生時のため、災害備蓄品を整備しています。

傷病者受入訓練

当院は災害発生時に多くの傷病者の受け入れが想定されています。
災害拠点病院としての役割を果たせるよう、定期的に傷病者受入(トリアージ)訓練を実施しています。

衛星電話の設置

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、電話回線や携帯電話、インターネット回線が不通となるなど、被災地で翌日まで連絡が取れない病院があり、患者さんの受け入れ可否の情報など広域災害救急医療情報システム(EMIS)への緊急時入力ができない事態も発生しました。
当院では、大規模災害の発生に備え、衛星回線でEMISと接続できる機器を整備しています。