痛みを我慢しない手術へ
~ 術後の安心・快適を、APS(術後疼痛管理)チームが支えます ~
痛みの少ない手術を目指して

「手術って痛いのかな?」「術後にちゃんと動けるだろうか?」
そんな不安を抱える方は、あなただけではありません。実際、多くの患者さんが手術前に同じような気持ちを経験しています。
大和市立病院では、「痛みの少ない手術」の実現に向けて、患者さんが安心して治療を受けられる医療環境づくりに全力で取り組んでいます。令和5年(2023年)1月より、新たに「術後疼痛管理チーム(APS:Acute Pain Service)」を立ち上げ、県内でも比較的早い時期からこの取り組みを始めています。患者さんが少しでも安心して手術に臨めるよう、いち早く体制を整えてきました。
痛みの少ない手術のメリットとは?
術後の痛みを最小限に抑えることには、以下のような多くの利点があります。
- 身体的な負担の軽減:痛みが少ないことで、身体が受けるストレスが大幅に減少します。
- 早期回復の促進:患者さんの回復がスムーズに進み、早い段階で日常生活へ復帰することが可能になります。
- 合併症の予防:痛みが強いと深呼吸や運動が難しくなり、肺炎や血栓などの合併症を引き起こすリスクが高まります。疼痛管理により、これらのリスクを大きく減らすことができます。
- 精神的な安心感:術後の痛みが少ないことで、患者さんはより前向きに治療に臨むことができ、心理的なストレスも軽減されます。
APS(術後疼痛管理)チームとは?

APSは、「Acute Pain Service」の略で、手術後の痛みを専門的に管理するチームです。当院のAPSは、麻酔科医師を中心に、手術室の看護師、薬剤師など、痛みのケアに関わる多職種で構成されており、それぞれが高度な専門知識と経験を活かして活動しています。開腹手術などの痛みが強くなりやすい手術を受ける患者さんにはAPSが回診を行い、適切な疼痛管理を提供しています。なお、当院では年間に約350件のAPSによる回診を実施しており、継続的な術後ケアの質の向上に努めています。
痛みの管理にとどまらず、吐き気、痺れ、眠気など、鎮痛薬による副作用の評価・対処もチームで行っており、患者さん一人ひとりの状態や希望に寄り添った、オーダーメイドの疼痛対策を提供しています。


APSの効果とは?
APSの介入により、次のような実際的な成果が期待できます。
- 術後の痛みの軽減
- 合併症のリスクの低減
- 入院期間の短縮
- 日常生活への早期復帰
- 手術体験全体に対する満足度の向上
手術を控えている皆さまへ
手術に対する不安は誰しもが感じるものです。特に「痛み」は、患者さんにとって大きな心配事のひとつです。当院では、APSが主治医や病棟スタッフと密に連携しながら、術後の痛みをできる限り軽減できるようサポートしています。私たちは今後も、より多くの患者さんに質の高い医療を届けるために、チーム一丸となって取り組みを続けてまいります。
